副業の報酬が、はじめて口座に入った。
たとえば、そんな場面を想像してみてください。
金額は数万円なのに、「確定申告」という言葉を見たとたん、急に胸がざわつく。
検索窓に「副業 確定申告 いくらから」と打ち込んだものの、
出てくる説明は「所得」「経費」「住民税」と、知らない言葉ばかり。

そもそも、私は申告が必要な人なの?
自分が当てはまるのか分からないまま、時間だけが過ぎていく。
きちんとしたいと思っている人ほど、立ち止まってしまいがちです。
会社員で給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収されている場合(給与の年間収入が2,000万円以下)、
副業などの所得が年20万円を超えたら、所得税の確定申告が必要になります。
この20万円は、収入そのものではなく、収入から経費を引いた「所得」の金額です!
そして住民税の申告は、別の話。20万円以下でも必要になる場合があります。
これは、国税庁のタックスアンサー No.1900など(令和8年4月1日現在法令等に基づく説明)で確認できた内容です。
副業を始めたばかりの頃は、お金の手続きまで手が回らないものです。
後回しになっているのは、怠けているとは限りません。
目の前のことで、精一杯だったのかもしれません。
知りたいのは、「自分の場合はどうなのか」ですよね。
この記事で答えること
むずかしい計算は出てきません。
安心して読み進めて大丈夫です。
判定のしかたから、ひとつずつ、一緒に見ていきましょう。
あくまで一般的な目安です。
個別の事情は、税務署や税理士にご確認ください。
副業の確定申告はいくらから?「所得20万円」の判定方法
副業などの所得の合計が年20万円を超えたとき、確定申告が必要です。
金額は「収入」ではなく、収入から経費を引いた「所得」で見ます。
住民税は別の話なので、あとの図で一緒に確かめましょう。
国税庁のタックスアンサー No.1900は、給与を1か所から受けていて、
給与の全部が源泉徴収の対象になる場合について、こう説明しています。
給与所得・退職所得以外の各種の所得金額の合計が20万円を超える人は、確定申告をしなければならない、という内容です。
副業が複数あるときは、その所得を合算して見る形。
なお、給与の年間収入が2,000万円を超える人は、副業の所得にかかわらず、確定申告が必要とされています。
確定申告をすれば税金が還付される人は、この「申告しなければならない人」の説明から除かれています。
戻るための申告は、別の話。
20万円は収入ではなく所得(収入−経費)
副業の収入が雑所得にあたる場合、所得は「総収入金額−必要経費」で計算します(国税庁 No.1500)。
何が必要経費になるかは、3つめの章で。
たとえば(あくまで想定の数字です)、1年間の副業収入が28万円で、必要経費が9万円だったとします。
所得は、28万円−9万円=19万円。
20万円以下なので、この目安では、所得税の確定申告が必要な人にはあたらない計算。
収入が20万円を超えていても、すぐに申告が必要になるとは限らない、ということ。
ただし、経費にできるのは、業務のために使った費用に限られます。
まず「収入−経費」の算数をしてみると、見え方が変わることがあります。
給与が2か所以上(アルバイトの掛け持ちなど)の場合は計算が違う
給与を2か所以上から受けている場合は、判定の式が変わります。
年末調整されなかった給与の収入金額と、
給与・退職所得以外の各種の所得金額との合計が、20万円を超えるときは、確定申告が必要。
一定の場合には、申告が不要になる例外も書かれています。
計算が少し複雑なので、掛け持ちをしている方は、税務署か税理士に確かめておくと安心。
給与の支払いを、源泉徴収義務のない人から受けている場合なども、20万円とは関係なく、申告が必要になりうるとされています。
この記事は、給与をもらっている会社員やパートの方を主に想定しています。
給与がない方(たとえば副業だけの方)の判定は、今回確認した範囲では書かれていなかったため、税務署でご確認ください。
判定の流れ(図解)と、目安を出せるツール
出典:国税庁 タックスアンサー No.1900(令和8年4月1日現在法令等)、名古屋市・横浜市の住民税Q&A。当サイトで整理した図で、給与を1か所から受けている会社員の場合の目安です。
自分の数字で目安を出してみたいときは、トップページの「お役立ちツール」にある、
「副業の手残りと確定申告の目安」が使えます。
副業の収入は何所得になる?雑所得の考え方
確認できたのは、例として挙がっている範囲までです。
実際にどの所得になるかは、個別の判断です。
雑所得とは、ほかのどの所得にも当たらない所得のことです(国税庁 No.1500)。
副業のうち、営利を目的とした継続的なものは、「業務に係る雑所得」として、総収入金額から必要経費を引いて計算します(No.1500)。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1906「給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」(令和8年4月1日現在法令等)。ここに挙がっていない副業は、今回の資料では判断できないため、税務署でご確認ください。
雑所得の計算と、赤字の扱い
式にすると、「総収入金額−必要経費」。
その金額は、給与所得など、ほかの所得と合計して総所得金額を求めたあとで、税額を計算します。
注意点は、雑所得の損失を、ほかの所得と損益通算(損失と利益を相殺すること)できないところ。
赤字の年に申告をどうするかは、今回の資料では確認できませんでした。
税務署に確かめておくと安心です。
事業所得との違いは、個別の判断になります
事業所得にあたるかどうかは、活動が「社会通念上事業と称するに至る程度」かで判定する、と所得税基本通達35-2にあります。
取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は、業務に係る雑所得に該当することに留意する、という趣旨の記載もあります。
(収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合を除く)
自分の副業がどちらにあたるかは、ここでは断定しません。
迷ったら、税務署や税理士に確かめましょう。
生活用品の売却は、非課税のことがある
古着や家財など、生活の用に供している資産を売った所得は、非課税で、確定申告は不要とされています(No.1906の注)。
損失が出ても、生じていないものとみなされる、とのこと。
ポイ活の収入の扱いは、ポイ活の税金の記事で別に取り上げています。
副業の経費にできるもの・できないもの
生活のための費用(家事上の費用)は、経費になりません。
仕事と生活が混ざる費用は、区分できる部分だけが対象です。
国税庁のタックスアンサー No.2210は、雑所得の金額の計算で必要経費にできるものを、次のように説明しています。
収入に対応する売上原価など、収入を得るために直接要した費用と、その年に生じた販売費・一般管理費などの業務上の費用。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2210「必要経費の知識」(令和8年4月1日現在法令等)。
何割までなら、という決まった割合は、今回の公式資料では確認できませんでした。
だからこそ、どう分けたかを記録に残しておきたいところです。
家事按分は「区分できる部分だけ」
生活と仕事の両方に関わる費用は、国税庁の説明では「家事関連費」と呼ばれます。
例として挙がっているのは、店舗併用住宅の家賃や水道光熱費。
業務のために直接必要だったと明らかに区分できるときの、その区分できる金額に限り、必要経費になります。
割合の決め方は、今回の資料では確認できなかったため、当サイトでは数字の例を書きません。
経費の記録の残し方|月に1回、4つを書き留める
4つめは、当サイトのおすすめです。1〜3は、国税庁の記帳のページに挙がっている記載事項(取引の年月日、相手方、金額)です。
国税庁の記帳のページには、取引の年月日、相手方、金額などを記載する、と書かれています。
(事業所得などがある方についての説明です)
日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法でよい、とも書かれています。
副業が雑所得の場合に、記帳そのものが義務になるかどうかは、今回の資料では確認できませんでした。
それでも、記録があれば、経費を説明しやすくなります。
当サイトでは、月に1回、まとめて書き留める方法がおすすめ。
なお、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方は、
令和4年以降、現金や預貯金のやり取りに伴う請求書・領収書などを5年間保存する決まりです(国税庁・記帳、帳簿等の保存のページ)。
収入が増えてきたときのために、最初から残しておくと安心。
収入と手取りの違いを、具体例で見たいときは、note有料記事の価格の決め方で、手数料を引いた手取りの考え方を紹介しています。
副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要?
名古屋市は、住民税には所得税のような申告の省略範囲がなく、原則としてすべての所得を申告する、と案内しています。
別の制度なので、判定の物差しも別になっています。
名古屋市は、給与所得者で給与所得以外の所得が20万円以下の場合にも、市民税・県民税の申告が必要、との説明。
横浜市は、確定申告をした場合は、住民税の申告がされたとみなされ、別に申告は不要と案内しています。
確定申告をしなかった場合は、住民税の申告が必要です。
自治体によって運用が異なることがあるため、お住まいの市区町村で確かめましょう。
| 所得税(確定申告) | 住民税(市民税・県民税) | |
|---|---|---|
| 20万円の扱い | 給与を1か所から受け、全部が源泉徴収されている人(給与2,000万円以下)は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えたら、確定申告が必要(国税庁 No.1900) | 所得税のような申告の省略範囲はなく、原則としてすべての所得を申告する(名古屋市) |
| 20万円以下のとき | 確定申告は不要な場合がある(還付のための申告は別) | 20万円以下でも申告が必要(名古屋市・横浜市) |
| 確定申告をしたとき | 確定申告をしている | 住民税の申告がされたとみなされ、別に申告は不要(横浜市) |
| 相談先 | 税務署 | お住まいの市区町村(横浜市は区役所の税務課) |
出典:国税庁 タックスアンサー No.1900(令和8年4月1日現在法令等)、名古屋市(更新日 2026年1月13日。申告書の例示は令和7年中・令和8年度)、横浜市(最終更新日 2026年4月1日)。自治体の運用は、お住まいの市区町村でご確認ください。
会社に知られるか不安なとき
副業が会社に知られないか、気になる方も多いと思います。
今回確認した自治体のページには、その点についての記載は見つかりませんでした。
住民税の納め方(普通徴収・特別徴収)の選び方も、公式の一次資料では確認できなかった点。
そのため、「必ず知られる」「知られない」とは書きません。
申告書の欄の書き方や納め方の選び方は、お住まいの市区町村の窓口で確かめるのが確実。
会社のルールの面は、副業と会社のルールの記事で別に取り上げています。
MNPや端末売却の利益の場合は、MNPの確定申告の記事へどうぞ。
副業の確定申告をしないとどうなる?忘れたときの動き方
早く自主的に出すほど、無申告加算税が軽くなる仕組みになっています。
私、だめだな。
「こんなことで相談していいのかな」と迷って、後回しになることは、珍しくないと思います。
気づいた今日が、いちばん早い日です!
期限後申告と無申告加算税|早く自主的に出すほど軽い
国税庁のタックスアンサー No.2024は、確定申告を忘れても、気づいたらできるだけ早く申告するよう案内しています。
この場合は「期限後申告」として扱われ、納める税金のほかに、無申告加算税が課されることがある、とのこと。
納付すべき税金の5%
5%より高い割合
さらに高い割合
出典:国税庁 タックスアンサー No.2024「確定申告を忘れたとき」(令和8年4月1日現在法令等)。令和5年分以降の申告期限のものは、金額に応じて割合が段階になるなど、細かい定めがあります。くわしくは国税庁のページでご確認ください。
「調査の事前通知」とは、税務署から、調査をする旨のお知らせが来ることです。
また、期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われ、
期限内に申告する意思があったと認められる一定の場合には、
無申告加算税がかからない例外もあります。
条件の例は、税金の全額を法定納期限までに納めていることや、
過去5年間に無申告加算税・重加算税を課されていないこと、など。
あてはまるかどうかは、税務署で確かめましょう。
延滞税もかかる(率は確認できませんでした)
期限後申告で納める税金は、申告書を提出した日が納期限になります。
納付の日までの延滞税も、あわせて納める形です。
延滞税の率は、今回の資料では確認できなかったため、数字は書きません。
焦っているときのお守り|今日できる3つ
焦っているときは、「全部やり直さなきゃ」と考えて、かえって手が止まってしまいがちです。
まずは、小さく3つだけ。
焦っているときの、3つのお守り
これは、「申告しないで済ませる」ための工夫ではありません。
申告の準備を、無理のない形で進めるための目安です。
確定申告の時期・青色申告・開業届と、困ったときの相談先
年ごとの実際の期限日は、国税庁のページで確かめましょう。
対象になるのは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得です(国税庁 No.2020)。
たとえば、今年の副業の分は、来年の2月16日から3月15日の間に申告する、という流れです。
今年の具体的な期限日までは、今回確認していません。
青色申告・開業届は「事業として行う場合」の話
副業の税金の解説では、青色申告や65万円の控除が大きく取り上げられることがあります。
国税庁(No.2070)によると、青色申告ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得のある方です。
青色申告特別控除は、55万円(一定の要件で65万円)または10万円とされています(No.2072)。
雑所得は、この対象に含まれていません。
副業が雑所得にあたる場合は、青色申告や青色申告特別控除の対象にならない、というのが国税庁の説明からの整理です。
副業が事業所得にあたるかどうかは、個別の判断です。
開業届は、新たに事業を始めた場合の届出として説明されています(No.2090)。
副業を雑所得として行う場合に、開業届が必要かどうかは、今回確認できませんでした。
事業として行うかどうかで話が変わるので、迷ったら税務署へ。
扶養・社会保険は、別の話
配偶者控除や扶養、健康保険の扶養などへの影響は、今回確認していません。
扶養に入っている方は、加入先や勤務先に確かめておくと安心です。
困ったときの相談先
あらためて、あくまで一般的な目安です。
個別の事情は、税務署・市区町村・税理士にご確認ください。
副業の確定申告についてのよくある質問
副業の収入が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
20万円は「収入」ではなく「所得」の金額です。
給与を1か所から受け、全部が源泉徴収されている会社員(給与の年間収入2,000万円以下)なら、
所得が20万円以下のとき、所得税の確定申告は不要な場合があります。
ただし、住民税の申告は別に必要になることがあります。
副業で赤字のときも、申告は必要ですか?
雑所得の損失は、ほかの所得と損益通算できません。
赤字の年に申告がどうなるかは、今回の資料では確認できませんでした。
税務署や市区町村で確かめておくと安心です。
フリマで家の不用品を売りました。申告は必要ですか?
生活の用に供している資産の売却による所得は、非課税で、確定申告は不要とされています(国税庁 No.1906)。
仕入れて売るなど、副業としての取引は別に考えます。迷うときは税務署へ。
申告の期限を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
気づいたら、できるだけ早く申告しましょう。
早く自主的に出すほど、無申告加算税が軽くなる仕組みです。
あてはまる扱いは、税務署で確かめられます。
まとめ:副業の確定申告は「所得20万円」と「住民税は別」から落ち着いて判断できます
最初の場面に戻ります。
副業の報酬が入って、「申告が必要なのかな」と胸がざわついたあなたへ。
給与を1か所から受け、全部が源泉徴収されている会社員(給与の年間収入2,000万円以下)なら、
副業などの所得が年20万円を超えたとき、確定申告が必要です。
その20万円は、収入から経費を引いた所得の金額。
住民税は別の話で、20万円以下でも、申告が必要な場合があります。
経費は、業務のために必要だった部分。
何をいつ使ったかを、月に1回、書き留めておくのがおすすめ。
もし忘れていても、気づいたらできるだけ早く。
早く自主的に出すほど、加算税は軽くなる仕組みです。
今日できるのは、記録を1行残すこと。
そして、「副業の手残りと確定申告の目安」で、おおまかな数字を見てみること。
迷ったら、税務署・税理士に聞いてみましょう。

数万円の副業収入のために、税金のことまで調べようとした。
それは、自分の仕事を大切にしている人の動き方です。
申告は、特別なことではなく、毎年ある手続きのひとつです。
わからないときに、相談できる窓口もあります。
完璧に整っていなくても、今日から1行の記録を残すだけで、来年の自分が少し楽になるはずです。
体調のことでお金が心配になっているときは、制度や相談先をうつで仕事ができずお金がないときの相談先と確認できる制度にまとめています。
副業の税金は、暮らし全体のほんの一部です。
焦らなくて大丈夫。
ゆっくり、一緒に整えていきましょう。
次に読むなら
この記事の根拠にした公式情報
- 国税庁タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.1500「雑所得」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.1906「給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.2210「必要経費の知識」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.2024「確定申告を忘れたとき」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.2020「確定申告」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.2070「青色申告制度」/No.2072「青色申告特別控除」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁タックスアンサー No.2090「新たに事業を始めたときの届出など」令和8年4月1日現在法令等
- 国税庁所得税基本通達35-2(雑所得の例示。令和4年改正の記載あり)更新日の表示は確認できませんでした
- 国税庁個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について更新日の表示は確認できませんでした
- 名古屋市給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?更新日 2026年1月13日(申告書の例示は令和7年中・令和8年度)
- 横浜市給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…最終更新日 2026年4月1日
国税庁のタックスアンサーは、いずれも「令和8年4月1日現在法令等」に基づく説明です。
最新の情報は、リンク先でご確認ください。
住民税の運用は自治体ごとに異なることがあるため、お住まいの市区町村でご確認ください。



