体調が悪くて仕事へ行けない。それでも家賃の引き落とし日は近づき、冷蔵庫の中も減っていく。休んだ方がよいと分かっていても、「休んだら来月を払えない」と思えば、ゆっくり眠ることさえできないでしょう。
お金がないときに必要なのは、無理に働ける方法を探すことだけではありません。会社を休んでいる人、退職した人、家賃を払えない人では、相談する窓口が違います。すべての制度を理解してから動こうとせず、今いちばん期限が近い支払いと、現在の働き方を伝えるところから始められます。
このページでは、うつや心身の不調で仕事ができず、お金が心配なときの連絡先を状況別にまとめます。傷病手当金、雇用保険、住まいの相談、生活保護、保険料の免除などにも触れますが、受給できると断定するものではありません。加入状況、世帯、収入、地域によって条件が変わるため、「自分はどこへ最初に連絡するか」を見つけるためにお使いください。
食べるものがない、今夜眠る場所がない、電気や水道が止まりそうなど、今日・明日の暮らしが危ないときは、記事を最後まで読む必要はありません。お住まいの市区町村の福祉窓口や自立相談支援機関へ、今の状況をそのまま伝えてください。
お金がないとき、最初に紙へ書く3つのこと
不安が強いと、家賃、カード、税金、保険料が頭の中で一つの大きな塊になります。全部を解決しようとせず、次の三つだけ書きます。
- 今日使えるお金:手元、預金、次に入る給与
- 期限が近いもの:家賃、電気・ガス・水道、食費、医療費
- 今の状態:在職中で休んでいる、退職した、雇用保険へ入っていた、自営業など
借金の総額を正確に出せない日でも構いません。「家賃が○日、残高が○円、会社を三週間休んでいる」と分かれば、窓口へ相談を始められます。督促状や請求書は捨てず、封筒ごと持っていきます。
会社を休んでいて給与が出ないなら、傷病手当金を尋ねる
会社員などで健康保険の被保険者本人であり、業務外の病気やけがの療養のため働けず、給与が出ない場合は、傷病手当金の対象になることがあります。全国健康保険協会は、連続する三日間の待期を含め四日以上休んでいることなどを主な条件として案内しています。
まず勤務先の人事・労務か、加入している健康保険へ「体調不良で休んでおり、傷病手当金の対象になるか知りたい」と連絡します。申請には本人だけでなく、勤務先や医師の記入が必要になることがあります。書類を一人で進められないときは、家族や医療機関の相談員へ助けを求めてください。
退職を考えている場合は、辞める前に加入先へ確認することが大切です。退職後も支給が続く場合には条件があります。退職日や加入期間によって扱いが変わるため、「もう辞めたから無理」と自分で決めず、健康保険の窓口へ尋ねます。
退職したが今すぐ働けないなら、失業給付を急いで申請しない
雇用保険の基本手当は、働く意思があり、健康状態などの面ですぐ就職でき、仕事を探している人のための給付です。病気で今すぐ働けない状態では、通常の基本手当を受けられない場合があります。
30日以上働けない状態が続くときは、受給期間を延長し、働けるようになってから手続きを進める方法があります。申請が遅いと全日数を受け取れない可能性もあるため、退職後に療養していることを住所地のハローワークへ早めに相談してください。郵送や代理人による申請が可能な場合もあります。
健康保険の傷病手当金と、雇用保険で使われる「傷病手当」は別の制度です。名前が似ているため、どちらへ加入していたか、退職前から休んでいたか、求職申込み後に病気になったかを窓口へ伝えます。
家賃を払えない・住まいを失いそうなとき
家賃が遅れそうなら、連絡せず期日を過ぎる前に、貸主や管理会社へ相談します。同時に、お住まいの地域の自立相談支援機関へ「病気で収入が減り、家賃が払えない」と伝えてください。
生活困窮者自立支援制度には、生活全般の相談、家計の立て直し、就労準備、住まいに関する支援があります。住居確保給付金は、収入・資産などの条件を満たす場合に家賃相当額の支給を受けられる制度で、相談・申請は地域の自立相談支援機関が受け付けています。
「まだ追い出されていないから相談できない」と待たないでください。払えない見込みが出た時点で相談すると、使える支援や必要書類を聞く時間を持てます。既に住まいがない、知人宅やネットカフェを転々としている場合も、その状態を隠さず伝えてください。
食費も医療費もなく、暮らしを保てないときは生活保護の相談へ
収入や資産を使っても最低限の生活を保てないときは、生活保護を相談できます。窓口は、現在住んでいる地域を担当する福祉事務所の生活保護担当です。厚生労働省は、同居していない親族へ先に相談しなければ申請できないわけではないと案内しています。
「もっと困っている人がいる」「家族に知られるのが怖い」とためらう人もいます。しかし、食べられず治療も続けられない状態で、無理な仕事や借入へ追い込まれれば回復が遠のきます。まず「生活保護を申請したい、または対象になるか相談したい」と伝えてください。
手元に書類がすべてそろっていなくても、相談を後回しにしないでください。現在の住所または居所、収入、預金、家賃、困っている理由を分かる範囲で話します。窓口で必要な書類と次の手続きを聞きます。
年金・健康保険・税金を払えないときは放置せず相談する
退職後に国民年金へ切り替わり、保険料の納付書が届くことがあります。収入の減少や失業などで支払いが難しい場合、国民年金には保険料免除・納付猶予の制度があります。日本年金機構は、失業した人について前年所得にかかわらず扱う特例があることも案内しています。
未納のままにせず、市区町村の国民年金窓口または年金事務所へ相談します。学生、生活保護を受けている人、障害年金を受けている人などでは別の制度になる場合があります。
国民健康保険料や住民税、公共料金にも、自治体や事業者ごとの相談・猶予・減免制度がある場合があります。納付書に書かれた窓口へ「病気で収入が減り、期限までに払えない」と連絡します。払えない約束をして終わらせず、現在払える額と次の収入予定を伝えます。
カードや消費者金融で埋める前に相談してほしい理由
今月だけ足りないと思うと、キャッシングや後払いでしのぎたくなります。しかし、収入が戻る時期が決まっていない状態では、来月の返済が新しい支払いになります。体調が悪いと契約条件を読むことも難しく、借入が重なるほど誰にも言えなくなることがあります。
すでに借金がある場合も、責められることを恐れて隠さず、自立相談支援機関や自治体の多重債務相談などへ話してください。家計改善支援では、滞納の解消や給付制度の利用、必要に応じた専門窓口へのつなぎも行われています。
「すぐ稼げる在宅ワーク」へ申し込む前に
お金の期限が迫るほど、「スマホだけで即日収入」「初心者でも月30万円」という言葉が救いに見えます。ところが、仕事内容を明かさずLINEへ誘導する、教材費やサポート費を先に払わせる、借入まで勧める募集があります。
今必要なのは、収入を得るための新しい支払いではありません。登録料、保証金、教材費を求められたら、その場で決めず、家族や消費生活センターなど第三者へ見せてください。生活費を埋める目的で始めた仕事に、お金を奪われないことが先です。
電話で何を言えばよいか分からないときの文例
体調を崩して働けず、収入が減っています。家賃と生活費を払えない見込みです。利用できる支援と、必要な手続きを相談したいです。
これだけで始められます。窓口から質問されたら、分かる範囲で答えます。分からないことは「今は確認できません」と伝えて構いません。電話が難しい場合は、ウェブサイトにメール、相談フォーム、来所予約がないかを見ます。家族や支援者に同席してもらう方法もあります。
今日中に食費や寝る場所が必要なとき
数週間後ではなく、今日食べるものがない、今夜の居場所がない場合は、その緊急性を最初に伝えます。「生活全般の相談をしたい」だけでは、期限が伝わらないことがあります。
手元が○円で、今日の食費がありません。今夜泊まれる場所もありません。今日相談できる支援を教えてください。
市区町村の福祉窓口、自立相談支援機関へ連絡し、閉庁後なら自治体が案内している夜間・緊急の連絡先を調べます。住民票の住所と現在いる場所が違う場合も、今いる場所と眠れる場所がないことを伝えてください。
督促状を開けられないときは、封筒ごと持っていく
請求書を見るだけで動悸がして、未開封の封筒が増えることがあります。全部を一人で読み、電話してから相談へ行く必要はありません。封筒、通帳、給与明細、離職票など、手元にあるものをまとめて相談窓口へ持参します。
電気・ガス・水道の停止予告や、退去に関する書類には期限があります。「怖くて開けられない」と相談員へ伝え、一緒に優先順位をつけてもらってください。叱られないよう説明を整えるより、期限が来る前につながることを優先します。
状況別・最初の連絡先
| 今の状況 | 最初に尋ねる先 |
|---|---|
| 在職中で病気のため休んでいる | 勤務先の人事・労務、加入する健康保険 |
| 退職し、今は働けない | 住所地のハローワーク、加入していた健康保険 |
| 家賃を払えない | 地域の自立相談支援機関 |
| 食費・医療費もなく生活できない | 福祉事務所の生活保護担当 |
| 年金保険料を払えない | 市区町村の年金窓口、年金事務所 |
| 借金や滞納が重なっている | 自立相談支援機関、自治体の多重債務相談 |
今日は一か所へ連絡するだけで構いません。そこが担当外でも、「次はどこへ相談すればよいですか」と聞けます。制度を使うことは、働くことを諦めることではありません。食事、住まい、治療を守り、次のことを考えられる状態へ戻るための支えです。
